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2018/0727

資産運用

~生産性のある住宅購入で老後の備えに ~リバースモーゲージとは~

「リバースモーゲージ」をご存じでしょうか。
金融機関が自宅を担保に高齢者に融資する制度で、生きている間に返済する義務のない制度です。(表A参照)
取り扱う金融機関も2年ほど前から急増しており、利用者も 急増しています。金融機関によって多少差はありますが、 一般的なリバースモーゲージの制度や活用法を考えます。

【利用出来る要件】
・現在、居住中の物件で今後も住み続ける事を希望している事
・申込人の単独所有、または配偶者との共有である事
・抵当権、賃借権が設定されていない事。
・推定相続人の全員の同意がある事 ・概算評価額が1000万以上ある事

【主な条件】
・貸付限度額:土地の評価額の約7割程度
・貸付利率:年3%前後
・貸付月額:30万円以内
・貸付期間:貸付金+利子が貸付限度額に達するまで

【活用法】
この制度を利用するにあたって一番のメリットは、住み慣れた自宅に住みながら老後の生活資金を得られる点にあります。
思い入れの深いご自宅を、手放した感覚も少ないので、老後資金に不安を感じた場合の有効な一手となるでしょう。
ただそこで注意したいのは、土地の評価額です。
1,000万以上でないと利用出来ない可能性が高いので、これから住宅購入をお考えの方は、資産性も考慮した住宅選びも重要です。
住宅ローンが払えなくなってしまう程の住宅を選ぶ必要はありませんが、金額の安さだけに惹かれて選んでしまうと、老後の選択肢を狭める事になってしまうので注意が必要です。

この制度は蓄えが尽きる事への不安を抱え、年金受給額が減少している現在、非常に有効的な制度です。ただ、ほぼ土地の評価によって利用額が決まるため利用できる人が限られる点などまだまだ今後の課題はありそうです。
更に制度が充実していく為には、現在の様にスクラップ&ビルドが主流ではなく、中古住宅市場が拡大・整備され、住宅の耐久性の向上・リホームなど住宅再生化が進めばこの制度が充実し、思い入れの深いマイホームが私たちにとって、更に心強い老後の備えとなってくれるでしょう。