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2018/0407

その他

共働き世帯の育児両立支援制度

共働き世帯の出産や育児に関して、法律で様々な経済的支援や休業等の制度が認められてい
ます。これらの制度内容は、ここ5年〜6年の改正を経て格段に充実してきているので制度
として、理解しておく必要があります。

ただし制度によっては、国⺠健康保険・国⺠年⾦世帯には適⽤がないものが多いため、保険
や年⾦の加入状況を確認しておくことが必要です。特に今回は経済的な支援についてまと
めました。中小企業では、従業員が利⽤できる制度や仕組みに関する事業主の理解不足があ
ったり、手続きが煩雑なため会社から十分なサポートが受けられないことも懸念されます。

また、経済的支援については、実際に入⾦される時期を把握し、お⾦の流れや家計のやりくり
について事前に計画を立てておくことが大切です。

【1】 出産⼀時⾦、家族出産⼀時⾦(健康保険、国⺠健康保険) 健康保険の被保険者また
    は被扶養者が出産した場合に⼀時⾦が支給される。1児につき42万円(産科医療
    保障制度加算対象出産でない場合、40.4万)が支給されるが、健保組合によっ
    ては上乗せがある場合もある。 実際には、退院時の窓口負担が軽くなるように、保
    険者から医療機関に直接支払われる「直接支払制度」が原則になっている。

【2】 出産手当⾦(健康保険) 被保険者の産前・産休中に給与が支給されない事に対する
    所得補償。出産日以前42日から産後56日までの間、1日につき給与の3分の2
    相当が休業した日数分支給される。 出産手当⾦は産休が終了した時点で申請するの
    が⼀般的なため、実際の入⾦は産休に入ってから4カ月以降 になる事が多い。

【3】 育児休業給付⾦(雇⽤保険)被保険者が、1歳未満の子を養育する為に育休を取得
    した等の⼀定要件を満たした場合、休業前6カ月間の 賃⾦に応じ毎月⼀定額が支給
    される。支給額は2014年4月から増額され、休業開始から6カ月は休業前の賃
    ⾦67%、その後は50%となる。 給付⾦を受給しながらの就業も可能で、1カ月
    の就業日数が10日以下か、10日を超える場合は就業時間が 月に80時間以下で
    あれば受給できるので、女性の職場復帰に向けた助走期間や男性の育休機関に有効
    活⽤できる仕組みである。この場合、支払われた賃⾦が休業前の13%(半年後以
    降は30%)以下の場合は給付⾦は全額支給、13%(半年後以降は30%)超8
    0%未満の場合は支給調整され、80%以上になると給付⾦は支給されない。 給
    付⾦は2カ月ごとに振込まれるが、初回の振込は育休開始から3〜4カ月後になる
    事が多い。

【4】 産休・育休期間中の社会保険料の免除 産休・育休期間中の健康保険・厚生年⾦保険
    料は事業主を通じての申出により、本人負担、会社負担分ともに免除される。免除
    期間中も健康保険からは通常の給付が受けられ、厚生年⾦も保険料納付期間と同様
    に扱われる。

女性の社会進出が進むことと比例して晩婚化が進んだと言われています。都市では その傾
向が顕著なのではないでしょうか。共働き世帯でも、収入面・年⾦面で不都合が無いよう制
度を理解してしっかりと計画立てることが必要です。